【伴走レポート②】R7年度宮崎県デザイン経営推進事業
2024年から宮崎県が実施したデザイン経営推進事業
今年度は10事業者が参加し、それぞれの事業者がデザイナー&クリエイターと伴走しながら半年間を走り切りました。
(【伴走レポート①】R7年度宮崎県デザイン経営推進事業をご覧ください)
今年度伴走させていただいた二つ目の事業者さん。
延岡市方財町にある日髙水産さん。
今回タッグを組んだデザイナーは、ワニナルデザインの 高見美鈴さんです。
私と日髙水産さんとは、今回が初めてではなく、3年前からブランディング支援で関わらせていただいています。
すでに日髙水産としてのMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)は言語化されており、今回のデザイン経営では、
MVVをどう実現していくか。
そのための具体的なアクションプランを設計すること。
ここに焦点を当てました。

言葉だけでは、伝わらない
日髙さんが抱えていた課題の一つが、
MVVを社内にどう共有するか。
言葉として伝えることはできる。
でも、それが本当に伝わっているのか。
その問いを、日髙さん自身がずっと持ち続けていました。
そこで今回、デザイン経営の中で優先して取り組んだのが
社内への理解を深めること(文化醸成)でした。
そこで出てきた一つの答えが
「語るより、食べる!」
そしてもう一つが
第三者の声を、しっかり受け取る場をつくること。


設計したら、実行する
アクションプランを設計したら、次は実行です。
向かった先は、宮崎市霧島町にある すし貴さん。
日髙水産のしらすを実際に扱っているお店で、日髙水産の漁師さんをはじめ、
”全従業員でお話を伺いに行き、そしてお客様として実際に食べる”
そんな時間をつくりました。

皆さんの笑顔がとても眩しくて、その場にいるだけで空気が変わっていくのを感じました。
漁に対する向き合い方も、この瞬間から少し変わったように見えました。
食材の活かし方。
そして何より、
自分たちのしらすが、こんなにも評価されている。
その言葉を直接聞くことができたこと。
この場をつくってくださった
すし貴さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。







黄金しらす構想
一方で、しらす漁には大きな課題もあります。
それは、
漁獲量が外部環境に大きく左右されること。
天候や海の状況によって、
出荷量はコントロールできません。
そんな中で、
業界として何を目指していくのか。
そして日髙水産としてできることは何か。
そこから生まれたのが
「黄金しらす構想」です。





黄金しらすとは?
2月末から3月にかけて現れるしらすの中に、
うるめいわしと呼ばれる種類があります。
この時期に獲れるしらすは、
少し黄色みがかっているのが特徴。
市場では、
しらすの価値は「色」で判断されることが多く、
この黄色味のしらすは評価されにくいそうです。
でも実は、
栄養成分は、白いしらすよりも高い。
そして何より、
太陽が昇る日向灘で獲れる
その時期にしか出会えないしらす。
漁師さんたちは知っています。
海の中で
キラキラと輝くしらすの群れを。
それはまるで
流星群のようだと。
この時期にしか出会えない特別な魚として。
そして
4月を迎えるための縁起の魚として。
宮崎県の水産業を巻き込んだ
一つのプロジェクトにできないか。
そんな構想が動き出しました。


支援者として、伝えた言葉
私は最後にこう伝えました。
「これ、本気でやりますか?」
「もし“無理やろ”って少しでも思うならやめた方がいいです。」
支援者は時に、
事業者さんが判断するための強い問いかけもします。
心から信じていないことは、続かないから。

日髙さんの答え
日髙さんの答えは
とてもシンプルでした。
「もう、ワクワクが止まらないんです。」
その言葉に、迷いはありませんでした。
その瞬間、
私の船のエンジンも動き出しました。
じゃあ行きますか。
黄金しらす構想へ。
出港だーーーーー!

想いを、形にするクリエイティブ
この構想を、
しっかり形にしてくれたのが
デザイナーの高見美鈴さん。
黄金しらすの世界観を、
イラストでわかりやすく表現してくださいました。

伝える側にも、
受け取る側にも、
「すごくわかりやすい!」と、とても好評です。
私自身も感動レベルのクリエイティブでした。
黄金しらす構想。
ここからどう広がっていくのか。
これからが、ものすごく楽しみです。



